伯父のことで不安になった私は、#3を書いていた途中で川田先生に軽く報告をしてみた。
そのまま一睡もせずに会社に出勤すると、先生からメールの返事が届いていた。
「夕方辺りに少し話を聞かせてください。」
仕事もひと段落ついた19:30辺りだったと思う。先生の部屋を訪ねて、伯父の様子を話すと
「1ヶ月でそんな症状が出るには早すぎる。アルツハイマーなんかは、何年もかかって症状が進行するのは分かっているよな。」と。
私だって研究職の端くれ。一般人でもそんなに急激に症状が出ないことは感覚的に知っているだろう。
「もしかして、脳梗塞の小さいのが起こっていて、それが記憶に関する部分に障害を起こしているのかもしれない。」
血管が詰まって、その先の脳細胞が死んだら症状も進行も早いかもしれない!それは十分にあると感じた。病気のデパートのような伯父にありえる話である。
「お母さん以外に伯父さんに兄妹は居ないのか?それに、君にあたる姪や、甥は居ないのか?」
もう1人伯父がいる。問題の伯父は次男で、もう1人の伯父は長男である。
長男伯父に3人子供は居るが、どれも結婚して家を出ているしなぁ~。
「君とお母さんだけで抱えないで、お母さんにも兄弟が居るのであれば、まずは兄弟同士で話をするべきだ。」
長男伯父とは最近付き合いが薄いが、無いわけでもないし母も連絡をするとは言っていた。
「そこらの町医者に行っちゃあかんで。病院はどこにすんねん?」
一応2箇所調べてあったので、病院名を言うと先生はあっという間に検索して2つの病院を比べた。
1つは大きな大学病院。もう1つは、専門で認知症を扱うが小規模な病院。
距離はどちらも変わらないが、先生はMRI、CTの両方がそろっていて、脳卒中外来と、物忘れ外来のある医師の人数の多い大学病院を薦めた。
「診察、検査をして結果が分かったらまた教えて欲しい。他の病院へ行くことになったら、知り合いはたくさん居るから紹介状も書いてもらえるから。」
初心外来が木曜にあるので、当日か改めて検査になる。そうすると、来週中に結果が分かるかどうかだが、来週一杯先生は学会で渡米することになっている。
「再来週報告できれば、そうさせて頂きます。」
「君はいくつや?」
もう、20台後半ですよ。と言うと、
「その年でなんでそんなに大変な生活をしているんだ。俺がその年だった頃は結婚したばっかりやったけど、君のようには…。」
まぁまぁいいんですよ。大変なのは、早いか遅いかで、それがどれくらい続くか。なんですから。
「何で君がそんなに頑張らなあかんねん…。」
「(この大変さは中学生くらいから分かっていましたし。今は)家長ですから!」と答えてみた。
伯父の相談も終わり、話題がますます暗くなってきたので、in situの話に切り替えてみた!
私:「いや~GFPほとんど発現してないラインだって確認してなくて、寂しい結果になりましたよ~。」
川:「最近データ出とらんぞ!」
私:「今日コンフォーカルしようと思ってたんですけど、明日にすることにしました。」
川:「今日はもう帰って、お母さんと話をしておきなさい。もう帰り!」
私:「はい、明日の予約だけして帰ります。」
こうして、割と早く21:30には会社をあとにして帰りました。
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