午前中のミーティングはジャーナル発表に時間がかかって、プログレス発表は無かった。
先生が午後から出張だったために切り上げられたんだけど。
昼食後、ようやく実験開始。
中尾さんからラージプレップを教えてもらいながら進めていると、パートさんから声をかけられた。
「とみぃさんの水槽って1匹だよね?」
ん?稚魚棚に系統保存用に残した生き残り稚魚が1匹確かにいるが、話によると、さらに1回り小さな稚魚が水槽に入っているらしい。
びっくりして飼育室に行くと、すでに保護された迷子がビーカーにいた。
ど、どこから!?
中尾さんに報告した時には、パートさんは帰ってしまったが、それは大問題だ!
たまたま私の水槽で、見分けがつくサイズで良かったが、稚魚棚には迷子に似たりよったりのサイズが系統別に並んでいる。
他の大事な系統に迷子が紛れ込んでいたら…
もう実験どころではなかった。
ナデシコさんと五十嵐さんを呼んで、迷子の出所と原因を確かめることに。
どうやら注水ポンプに問題がありそうだ。
昨日の夜は私が餌当番で、自分の水槽を見ていた時は1匹だった。いや、毎日可愛い我が子を観察している。となると、事件は今日起こった事になる。
迷子は別の水槽でしばらく飼うことになった。
おかげで実験は遅くなり、夜中までいるのも何だからファミレスでノート整理をしているわけよ。
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