孝伯父さんに会いに行った。
普通に寝ていた。
伯父は頭がハゲていて、白いヒゲがたっぷりだから、サンタクロースそのまんまな人だ。
だから、サンタが寝ていた。
母が第一発見者で、台所で俯せに倒れていたらしい。
居間にあったごみ箱には大量に血を吐いた跡があり、ぼっとん式トイレの内側にも血の跡。
洗濯物の中には血のついた下着があったらしい。
多分吐血と下血が急におこったに違いない。
相当動転するに違いないのに、電気、ガス、水道、電話全てのライフラインが止まっていたせいで、誰にも助けを求めることもできずに倒れてしまった。
母は伯父の家に行く前に、おにぎりとウィンナーを持って行ったそうだ。
そして、血まみれの伯父を発見して放り投げたと言っていた。
警察に来てもらい検死の結果、死後24時間がだったそうだ。
多分、伯父が倒れただろう18日の昼に電気が止められたらしく、ホットカーペットがついたままだったら、血の臭いは相当なものになっただろう。と言われた。
カーペットの下まで血が染み込み、銀色の保温シートが無かったら畳まで染みていただろう。
伯父は板の間の台所に倒れていたおかげで、腐敗も進まなかったという。
良かったんだか、悪かったんだか。
伯父はその後、葬祭センターへ連れていかれ、エンバーミング処置をしてもらったらしい。
自宅で俯せで死後時間がたっていたからね。
23日お通夜、24日告別式とまだ時間があるからと会いに行ったわけだ。
流石エンバーミング。伯父は穏やかな表情だった。
棺を開けてもらって、伯父に触った。
ツルツルの頭、フサフサなヒゲ。冷たかったけど、伯父だった。
葬祭センターの担当者は自慢げだったよ。
今週で誕生日を迎えるはずだったのに。
去年の誕生日を思い出す。
1年前はこうなるとは思っても無かった。
1週間前でも、今でもそう思っている。
おやすみなさい。
PR